ブルゴーニュにある ディジョンマスタード・メーカー、 ファロ、レーヌ ド ディジョン、EdC(ボルニエ)

フランス・マスタードの代名詞ディジョン・マスタードは現在世界中で生産されています。フランスでもディジョンのあるブルゴーニュ地方だけでなく、フランス全域で生産されています。これはディジョン・マスタードがAOC/AOP等の原産地の規定がなく、製造規定のみだからです(日本や中国でつくっても問題ありません)。しかしながら、フランスにおけるディジョン・、マスタードの大手4社はブルゴーニュ地方にあります。最大手のアモラ&マイユAMORA&MAILLE社は別のページにまとめました。ここでは残りの3社に関してご説明します。

ディジョンマスタード最大手の アモラ&マイユ AMORA&MAILLE 社の記事

ユーロピエンヌ・ド・コンディマン Européenne de Condiments (EdC)

 ディジョン・マスタード業界第2位の会社ですが、フランスでもこの会社の名前は殆ど知られていません。ボルニエ Bornierという自社ブランドのマスタードや、親会社のブランドKühneキューネのマスタードも製造していますが、この会社のマスタードはスーパー・マーケットのオリジナル・ブランドが殆どです。 ユーロピエンヌ ・ド・コンディマンEuropéenne de Condimentsの名称が裏エチケットになくても、21160 COUCHEYの住所でわかることもあります。このクシェ村 COUCHEYにある工場は、ブルゴーニュの銘醸ブドウ畑のお膝元にあります。

 1816年、Denis Bornierドゥニ・ボルニエが創業。当時はBornierの名称でマスタードを出荷していました。19世紀中頃にはディジョンやパリのコンクールで賞を取っており、既に評価を得ていたことがわかります。創業当時から本拠地はしばしば移転し、所有者も変わりましたが、1971年に現在のクシェ村Coucheyへ移動し、 ユーロピエンヌ ・ド・コンディマン の会社名になりました。その後の30年で生産量を10倍に伸ばし、ディジョン・マスタード、シェア第2位に地位を得ます。2001年にはドイツの大手食品企業キューネKühneの傘下になりました。現在では、マスタードだけでなく、マヨネーズやケチャップ、ソース、ピクルス等を世界に輸出しています。

ユーロピエンヌ・ド・コンディマン社のマスタード
ユーロピエンヌ・ド・コンディマン社のディジョン・マスタード スーパーマーケットのブランド名のみ

KUHNEキューネ社のマスタード
ドイツの親会社キューネKühne社のブランド

レーヌ・ド・ディジョン Reine de Dijon

 

レーヌ・ド・ディジョン Reine de Dijon のブルゴーニュ・マスタード

 ディジョン・マスタード業界シェア3位の会社です。ここは創業当時からディジョン市内ではなく、水利と交通の便のよいディジョンの西にある運河沿いの村を本拠地としてきました。

 1840年、フォーロワ家FAUROYがマスタード工房をヴラル・スル・ウシュ村Velars-sur-Oucheに創業。20世紀に入り、テヴニオ家THEVENIAUDの所有となり、レーヌ・ド・ディジョンReine de Dijonの名称を使うようになります。レーヌReineは女王の意味です。この時代に世界中にマスタードを輸出し、コンクールでもメダルを取るようになります。1990年代に入ってドイツ・バイエルン・マスタードの大手メーカーDEVELEY(デベレイ)社の傘下に入ります。この時期に現在の本拠地となるフルーリー・スル・ウシュ村Fleurey-sur-Oucheに移転しています。

 所謂ディジョン・マスタードの大手4社の中では、この会社が近年一番ダイナミックに動いていると言っていいでしょう。1999年に他社に先駆けて有機栽培のマスタードを販売。2015年には原料のマスタード種子を一部商品を除いてカナダ産からフランス産へ転換。2020年にはマスタードへの保存料を撤廃しています。もちろん、ブルゴーニュ産の原材料にこだわったブルゴーニュ・マスタードMoutarde de Bourgogne IGPも製品化しています。

ファロ FALLOT

ファロ社のエストラゴン入りグリーンマスタード

 ブルゴーニュワインの中心地ボーヌBEAUNEのマスタード生産者です。1840年頃には33のマスタード工房がボーヌにありましたが、その数は徐々に減少し、第二次大戦後には僅か2つ。現在はボーヌ唯一の生産者となっています。

 1840年にブレイ家Bouleyが創業し、1928年にはエドモン・ファロEdmond Fallotの所有となりました。現在はエドモン・ファロの孫となるマルク・デザルメニエンMarc Désarménienが社長となっています。ファロはディジョン・マスタード大手4社の中では一番小さいのですが、他の3社が外国系の資本傘下に入った今では、地元に昔からある唯一の家族経営企業となっています。ブルゴーニュ産原材料にこだわったブルゴーニュ・マスタードMoutarde de Bourgogne IGPをいち早く商品化したり、ブルゴーニュの星付きレストラン、ベルナール・ロワゾーBernard Loiseauとタイアップしたガストロノミックなマスタードを生産したりと、地元との結びつきを重視しています。現在大手4社の中では唯一見学可能で、世界中の観光客の訪問を受けています。

ファロ社がつくる様々なマスタードを掲載 フランスマスタードの基準と分類

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