過去最高の落札総額となったオスピス・ド・ニュイサンジョルジュのワイン競売  2021年ミレジム

オスピス・ド・ニュイサンジョルジュの試飲風景
オスピス・ド・ニュイサンジョルジュの試飲風景

例年3月に行われるオスピス ド ニュイサンジョルジュのワイン競売が2022年3月20日、ブルゴーニュのシャトー デュ クロドヴージョで行われた。落札総額が248万ユーロと、初めて200万ユーロの大台を突破。過去最高額となった

今回落札された2021年ミレジムのオスピス ド ニュイサンジョルジュのワインは、春の遅霜被害で収量が減少。落札されたワインは計109樽。同様に春の遅霜被害があった2016年ミレジム以降、最も少ない量となった(2016年ミレジムは計90樽落札)。今回は赤ワインの平均価格が34.72%上昇。1樽しかなかった白ワインの平均価格は114.81%上昇。落札された樽数は前年に比べて減少したにもかかわらず、落札総額は過去最高を記録した。

主な落札者は、ティボー リジェベレール、エドゥアルド ドローネイ、フェブレイ、アンリ グージュ等のニュイサンジョルジュに本拠を持つネゴシアン。アルベール ビショー、アンドレ ゴワショ、メゾン ファティアン、マルシェ オー ヴァン等ボーヌに本拠を持つネゴシアン。アメリカ資本が入ったサントネイのシャトー ド ラ クレ。表面的には中国や日本等のアジア勢はいない。

オスピス ド ニュイサンジョルジュは、2019年3月の落札時、平均価格が下落し、一部のワインは落札されなかった。その後様々な施策を行い、2020年3月の落札から3年連続の平均価格上昇となっている。

今回、2021年ミレジムの収量が低いので、ある程度の価格の上昇は見込まれていた。しかし、予想以上の価格上昇で、全く落札できなかったネゴシアンもいたようだ。ウクライナ戦争による先行き不透明感等、ネガティブな要因はあるにせよ、アフター・コロナを見越したブルゴーニュのグラン・ヴァン需要の高さを物語る落札結果となった。

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